小説

ひとめあなたに・・・
新井素子 / 角川文庫

新井素子さんといえば、世間一般ではSF作家。
でも、私の中のくくりでは恋愛小説作家になってます。
そんなこといいながら、恋愛小説はほっとんど読まないのですが。(^-^;
他にも彼女の代表作は色々あるのですが、私が今回これを紹介しようと思ったのは、彼女は女性の狂気を描くのが抜群に上手で、初期のこの作品でそれがとても現れていると思うから。勿論、お話自体もすごく好きです。

地球最後の日、あなたは誰といたいですか?

この話はそういう話。
いきなり振って沸いた終末の日に、ただ好きな人と過ごしたい、それを願い歩いていく女性の話。
交通機関の麻痺したその道程において、ゆっくりと静かに狂っていく女性達に出会う話。
怖いけれど、不思議と心地いい怖さに感じてしまう。
結局、しあわせなんだけど。

古いナンバーですが、ぜひ松任谷由実の「チャイニーズスープ」を聞きながらどうぞ。


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